コンテンツまでスキップ

富山で休もう。ツーリズム統計基盤「TOYTOS」(トイトス)を触ってみた

TOYTOSとは?

公益社団法人 とやま観光推進機構が、富山県の観光関連データを可視化、オープンデータ化しているサイトです。

サイトはこちらになります。
image-Sep-18-2024-08-43-17-6214-AM(ロゴの引用元:©TOYTOS)

ライセンスはなにか?

    行政系のオープンデータは、クリエイティブ・コモンズのCC-BYなどのライセンスになることが多いですが、TOYTOSのデータにはライセンスについての明記がありません。利用にあたっての注意事項として、以下のことが記載されています。
    「ダウンロードいただいたデータや図表は自由にご利用いただけます。注釈に記載の事項についてもご確認の上、取り扱いをお願いします。なお、資料等に掲載する際には、データの出典およびクレジット「©TOYTOS」の記載をお願いします。」
    クレジット表記が必要で、自由に利用できますが、改変などについては、データ提供元に確認したほうが良いかもしれません。

どんなデータがあるのか?

2024年9月18日現在で、以下のデータが公開されています。

  1. とやま観光ナビアクセスデータ
    富山県・富山観光推進機構が運営する観光情報サイト「とやま観光ナビ」のサイトアクセスのデータ(Google Analyticsで収集したもの)をGoogleの「Looker Studio」でビジュアル化した状態で公開をされています。
    データ全体は、ダウンロードできませんが、ビジュアル化されている表・グラフの単位で、データをCSV, Excel, Googleスプレッドシートへのエクスポートができるようになっています。
    例えば、Google検索のキーワードがこちらですが、富山ブラックラーメンが2,574票, 富山 寿司は1,180票で、富山の寿司は、ブラックラーメンには及ばないようです(がんばれ、寿司と言えば富山!)。

image-1-1(引用元:©TOYTOS)

  1. 富山県旅行者データ
    1.富山県観光ウェブアンケートデータ
    こちらは、平成28年10月から、(公社)とやま観光推進機構と富山県立大学が共同で富山県旅行者を対象としたアンケートをBIツール Tableauでビジュアル化したものを公開しています。生データはダウンロードできないようです。
    右側のリストを”チクチク”選んで、行くと簡単に絞り込んだりできるので、良いお酒の肴になります。下は、石川県から富山に観光に来たひとのアンケートです。単にコロナ化で近県からきた訳でもなく、10回以上富山に来ている人が多いですね(まあ、当たり前ですが…)。飛行機の2票は、東京から帰宅ついでに富山に寄ったのかな。
    image-2-3(引用元:©TOYTOS)

    2.とやマネーデータ こちらは、各種応援割で使われるご当地電子マネー「とやマネー」の利用を可視化したもです。こちらもTableauを使って可視化されています。こちらも、"チクチク"選んで楽しめるタイプです。利用者データを見ると、1/4は富山県民なんですね、ちょっと意外でした。特に1月, 2月の利用が多いのが富山県民で、3月から3月が多いのが他県の人だったりします(雪警戒なのか?)。利用額を見ると、富山市一人勝ちの状況だったりしますし、富山、高岡、黒部の3つということは、帰り際に駅近くでお土産を買う方が多いんでしょうかね。「とやマネー」そのものが、常用の電子マネーではないので、データ使う際は、その点も考慮する必要があるのかな…とも思います。ちなみに、能登半島地震関連で使われたとやマネーデータは、現時点では公開されていませんでした。

    image-3-4

    (引用元:©TOYTOS)

    3.「とまって富山、もらって富山」調査データ
    こちらは、県内宿泊施設に泊まった時にプレゼントがもらえるキャンペーンとセットで集めたアンケートを集計したものです。 一般動態、 通年調査の2パターンに分けて、こちらもTableauで”チクチク”見れるようになっています。
    一般動態のほうが、こちらにになります。
    最近、北陸新幹線の新大阪延伸について、小浜ルートだ米原ルートだと世間が騒がしくなっています。このデータからみてみると、愛知県・岐阜県・静岡県・滋賀県・三重県あたりは米原ルート、大阪、京都、兵庫以西は小浜ルートがよさそう…と考えると、実は富山・観光業と考えると、米原ルートのほうがメリット大きいのでは!?とも思えてきます(・・・とはいえ、直近のデータは大阪からの来訪者がとても多いので何とも言えないです。敦賀延伸の影響かもしれない)。

    image-5-1(引用元:©TOYTOS)

  2. 富山県観光レポート
    こちらは、データというより、(公社)とやま観光推進機構が発行しているレポートです。「観光予報プラットフォーム」や「株式会社ナビタイムジャパン」の『インバウンドGPSデータ』なども掲載されています。

他県ではどうなのか?

石川県の場合

石川県は、BIツールはGoogle lookerstudioで統一されているようです。また、ソースとなデータは、石川県のオープンデータカタログサイトに掲載されています。カタログサイトのライセンスはCC-BY4.0になっています。

https://sites.google.com/view/milli-ishikawa-pref/
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/opendata/kanko_index.html

福井県の場合

福井県は、すごいな・・・のひとこと。
メインサイトは、FTASというサイトになっている。福井県のメインコンテンツともいえる、「恐竜博物館」の予約状況のほか、宿泊施設の予約状況などの活きたデータも多数ある。色々と可視化されているが、大部分がCode for FukuiのGithub上で公開されている。オープンデータとしての活用は、かなりされている感じ。Code for Fukuiとシームレスすぎて、ちょっと混乱するくらい(これ、データの原本が、Code for Fukuiのgithubにはっている感じ!?)。
https://www.fuku-e.com/FTAS

まとめみたいなもの

北陸3県、やり方は違えど、観光×データを進めていこうという方向性は同じかな。現時点では、福井の充実度がかなり目立ちます。中心的に活動されているのは、Code for Fukuiのようです、さすがです。北陸新幹線の敦賀延伸ということもあり、観光業界・団体もかなり協力されているように私の眼には映りました。

北陸で観光といえば、石川県、ということになるのですが、震災の影響もあるのか、活動としては地味なように思えます。まあ、王者の風格でドーンと構えているのかもしれませんけど。

富山県については観光業界が主導しているように見えます。TOYTOSも、今後は、福井県のように、データポータル的な役割に留まらず、データを活用するコミュニティとして拡がっていくと良いなあ・・・と思います。