コンテンツまでスキップ

ものづくりワールド東京2024 レポート

みなさま、こんにちは!! EvoLiNQ 社員の加藤です。

今日は、6/19~21にかけて開催された「ものづくりワールド東京」の最終日に行くことができましたので、簡単にレポートしたいと思います。

製造業 × AI

展示会でよく目に飛び込んできたのは、「AI」の文字です。AIによる生産計画や、工程管理、図面の比較など、人の目では時間のかかる部分をAIで自動化するソリューションがとても多くみられました。私は、AIを有効活用できるのは、少品種大量生産をメインとしている大手企業に限られ、そういった企業が市場のターゲットになっているとばかり思っていたのですが、実際には、多品種少量生産をメインとしている中小企業向けのソリューションが多くありました。むしろそちらの方が多かった印象です。

ある企業さんの展示で、AIにより生産計画の立案を行うソリューションがあり、お話を聞きました。製造の現場の方の課題を聞くと、生産計画を立てるということが大きな負担となっているようで、特に多品種少量生産おいては、さまざまな製品と時間、人の要素を組み合わせる必要があり、その中で飛び込みの受注や納期の変動などの優先順位の変化も重なり、それはそれは苦労されているようでした。また、計画を立案できる人も少ない従業員の中では限られており、その人に計画業務が集中し、残業の毎日なんてこともよくあったようです。

AIを導入すれば初めから完璧な計画ができあがるわけではありませんが、マスターとしてどの工程にどれぐらいかかるかというのを感覚値で入力することからスタートし、実績との差分を蓄積していくことで、AIの精度を上げ、より現実に近しい計画が立案できるようになるそうです。人が立案したものよりもAIが立案したものの方が実態に近いということも多々あるらしく、精度を上げるまでのデータの積み上げは大変ですが、仕組みを作れてしまえばとても有用であると感じました。また、いままで計画の立案に割いていた時間を、AIにより効率化することで、予実を見つめ直し、何が良くて何が悪かったのかを考える改善活動に充てることができるのは大きいと感じました。

中小企業の事業創出

前段の話とは全く毛色が異なるのですが、「中小企業の事業創出を支援するイノベーション・プロデューサーとは」という講演を聞き、良い話だなと感じたので少し書きたいと思います。

端的に言うと、ある程度の品質が担保された大量生産によるビジネスが途上国に奪われていく中で、日本として独自の新しいビジネスモデルを確立する必要がある。それには中小企業による力が大きく、イノベーションが重要というお話でした。では、イノベーションを起こすためには何が必要かというところで、私なりに講演を聞きながら重要だと感じたのは「視点を変えること」です。

イノベーションという言葉から、製品そのものを新しくするということに視点が行きがちで、顧客を変えるという視点になかなか行きつかないというお話をされていました。顧客を変えることで成功した事例として、工業製品として作られた精度の高い器具が、その精度の高さ故に医療機器として転用し、販売できたという話。アレルギー症対応食品のターゲットをアレルギー症の人だけでなく、その人の家族にすることで、家族全員がおいしく同じものを食べられるような食品を開発し、販売したという話。などを挙げられていました。製品側ではなく顧客側を深堀し、少し見方や市場を変えるだけで、売れる商品になるというところで、話を聞きながら感心していました。

終わりに

今回、展示会に足を運んだことで、製造業とAIとの関わり方のトレンドがうっすらと見えたような気がします。

AIにすべてを委ねることはできませんが、日常の反復的な作業においては、人間よりも早く正確に作業をこなすシーンが確かにあります。活用することで、いままで反復作業に浪費していた時間を、人間にしかできない創造的な活動に充てることができるのは、ビジネス的にもイノベーションの観点からも望ましいことなのではないでしょうか。

弊社EvoLiNQでも、製造業様に向けたAIやIoTを利用したDX化サポートを積極的に行っております。お気軽にご相談ください。